『芸術家よ、語るなかれ』? 結論:SNS論争は、得るものが1つしかありませんでした。

先日とあるSNSで余計な口を出し、痛い目にあったYaskoです。こんにちは。
抽象画を馬鹿にしている…というか、バカのやることだ。ぐらいに見ているお爺ちゃんがいたので反論したのです。

爺ちゃんいわく、
「具象画をある程度まで突き詰めて、絶望した人間がヤケクソでやる暴力的な行為」だと。

え、私の作品って誰かを殴れるの!?

絶望!? セフィロスからの贈り物か!

とまあ、オタク脳内変換で笑っちゃったんですけどね(笑)

よーく考えたら、この言葉自体が暴力的だと思ったので、
「自分が理解できないからって相手を批判しちゃダメですよー。傷つく人がいること知ってくださいねー」
的なコメントをしたところ、戦争? 論争? が始まってしまったのです…。

ピーマンが嫌いだからって、青椒肉絲(チンジャオロース)を馬鹿にしない

はい。
別にピーマンなんか滅んでしまえとか考えてもいません。
自分が食べないだけで、誰かの大好物だということもあります。

抽象画を描かない(もしくは描けない)としても、抽象画自体を否定してはいけないと思うのです。
(爺ちゃんさらにスーパーリアリズムもバカにしてましてね、「コピー機との競争だ」と)

しかし頑固な爺ちゃんでして、他にも何人もの方がコメントしたんですが、自分の意見に賛同する方以外には、まあよく攻撃するする。
呆れたバイタリティーとメンタルの強さです。
は〜疲れた。

…おっと、前半が愚痴になってしまいました。すみません^^;

『芸術家よ語るなかれ、造れ。』

有名なゲーテの詩です。

…そう、ゲーテの「言葉」じゃなくて「」なんです。
作品なんです。

今回の件でこの言葉を思い出し、
「は〜やっちまった。俺まだまだ芸術家とか名乗れねえわ〜」
と凹んでした私ですが、色々と勘違いしておりました。

ゲーテの詩の全文はこうです。

形作れ! 芸術家よ! 語るな!
ただ一つの息吹だにも汝の詩たれかし。

Bilde, Kuenstler, rede nicht !
Nur ein Hauch sei dein Gedicht !

翻訳された日本語も難しいので妄想しつつの解読ですが、

『つらつらやるんじゃなくて、末端まで気を使い、ギュッと濃縮したものをお届けしようね』

と、そう妄想解釈しました!
(私訳です。妄想です)

今回のことがなかったら、ずーっとゲーテさんを誤解してましたね。
グダグダ言ってないで描けよ。って言われてると思ってましたからw

これが、今回の騒動で唯一私が手に入れた成果です。
あとは時間の無駄遣いでした(泣)

抽象画と言葉について

この絵は何の絵ですか?の問いに答えられますか?
でもお伝えした通り、作家は自らの作品を、責任を持って説明できなくてはいけない、と私自身は個人的に思うのです。

例えばコーヒーをこぼしたシミを、アートだ芸術だと発表するのは自由ですが、ではその『事故』でできた偶然の産物に、作者本人の意図する芸術性は練り込まれてるでしょうか?


恐らく、しでかしちゃった瞬間には芸術も何もなかったと思います。
ただ単に「なんかいい感じのシミができた!」ぐらいで。
しかしこれに言葉を乗せて、アートに仕立て上げることができる芸術家もいるんです。

偶然性を用いた作品を、アートに昇華させて買い手を説得できる人たちは、きっと芸術家にならなくても弁護士や検事、または一流の営業マンになれる気がします。

もちろん全ての偶然性で生まれた作品が抽象画ではないし、また、それを行なっている作家を一概に抽象画家とは呼べません。
初手は事故でも、そこから作戦を練り上げて、具象画として作品を作り上げるスタイルの人もいますから。

ようは色んなスタイルの絵があって、描き方も色々あるけど、発表して「作品」とするなら「取扱説明書」も付けようよ。
ということですね。

具象画でもそうですが、山の絵が描いてあるのに題名が『川』だったら混乱しませんか?
泣く女の絵なのに、『笑う女』ってタイトルだったら不思議ですよね?
どうしてそう名付けたのか、説明されたら「なるほど」ってなるかもしれません。

とかく抽象画は誤解されやすい画風ですから、私はできるだけ丁寧に説明するよう心がけています。

SNS論争はウ○コ色

最後に、もしあなたが今、SNSで戦争に巻き込まれているなら。
勝っても負けても、後味が非常に悪いので、今すぐぜーんぶ忘却の彼方に追いやることをおすすめします。

↑これができたら最良です。

しかしなかなかできません。
なんで?って言われても、見ちゃったり読んじゃったりしたものは記憶に残りますからね。
相手をブロックしても嫌な記憶は消せませんしね。

という訳で、私は元を取ることにしました。
負の感情のまま、いつもは使わない色の絵の具で何か描いてやろうかと。

そもそもこの騒動の真っ最中に、トイレの中で「腹の虫がおさまらん! この感情を色に例えるならウ○コ色だな!」と思いましたが、ウ○コにも種類があるのでどのウ○コ色だろうか? と思った時点で少し冷静になれましたよ♪

曲がりなりにも<絵描き>を名乗っている以上、せめてこの負の記憶を絵に生かしてやろうという魂胆で参ります。
固定概念なんかに囚われず、のびのびとした作品を作っていきたいもんです。

『疲れたらたっぷり眠れ』

ゲーテじゃなくてニーチェです。
疲れた時は、酒でもギャンブルでもなく、食事をしてたっぶり寝るのがいいそうです。

これは何年も前に買った<超訳 ニーチェの言葉>という本からで、たまーに読んでふむふむ…となっております。
買った理由は哲学に興味があった訳ではなく、装丁と本文の文字詰めが好みだったからなんですけど。これは絵描き…っていうより、デザイナーとしての職業病ですね。

その哲学者ニーチェのお言葉、読んでみるとまあ面白いです。
とくにオタクde腐女子にはズキュンのものがたくさんあります。

<永遠の敵>

敵を抹殺しようとするのか。本気か。
本当に相手を滅ぼしてしまっていいのか。
敵は抹殺されるかもしれない。しかし、そのことによって、敵がおまえの中で永遠のものになってしまわないかどうかよく考えてみたのか。

引用元:「超訳 ニーチェの言葉」フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ著・白取春彦編訳/株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン発行

どうしよう。もうヨダレしか出ません。
昔の人はすごいな、と改めて思いますね。ありがとうニーチェ。

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