パレットには何色ある? 油絵具の色の名前と種類

色の好みは十人十色…。
と申しますが、絵を描こうと思ったら、例え使わなくても知らなきゃいけない色の種類があったりします。

「この色さえあれば大丈夫!」

と、言い切りたいところですが、実はそうでもありません。

何故かというと、描く絵の種類によって、使う色が変わってくるから。

当たり前っちゃあ当たり前のことですよね。
木が多めの風景画を描くなら緑色(青と黄色)をよく使いますし、海の絵を描いたら青い絵の具が減っていきます。

しかしそれでも、『この色はパレットに出しておこう!』という色は確かに存在します。
私の好みに偏るところもありますが、今回はパレットに置く基本の色の種類をご説明します!

絵の具の色の名前は統一じゃない


「え…こんな名前の色、知らない…」

色鉛筆やアクリル絵の具、学生の時に使っていた不透明水彩と違い、油絵具には独特の名称がついています。
(中には人の名前だったりするものもあります。バンダイクブラウンとか)

油絵を始めようと思ったら、まずは画材屋さんに赴く方も多いではないでしょうか?
今ならネットで調べてから、もしくはAmazonで油絵の初心者セットを購入してから…なんてこともあるかと思います。

ぶっちゃけ、高いです。

初心者セットと呼ばれるものは¥5,000ぐらいからありますが、画材屋さんでまともなセットを買おうと思ったら、だいたい2万円強は覚悟しないと揃わないかと…(汗)

実はそんな高いお金払わなくても、最初のうちは絵の具と筆さえあれば、あとは家にありそうなもので代用できるんですが…、それについては長くなるのでまた別の機会にでも。
(パレットは段ボールとサランラップや、100均のまな板でも代用できますよ)

ひとまず絵の具だけは買わないと始まりません。

もしお手元にアクリル絵の具があった場合、途中までの制作や下地塗りには使えますが、油絵具と混ぜることはできませんからね。
油絵を仕上げようと思ったら、やはり最後は油絵具しか使えないのです。

絵の具のセットは、どの画材メーカーも一通り揃えています。
あまり名の知れていないメーカーの商品も怖いですが、とにかく、100均で油絵具を買わなければそれで大丈夫です。
(100均の絵の具は、絵の具じゃないものでカサ増ししています)

それこそメーカーによって入っている絵の具の種類が若干変わってきますので、ここではあえて「どこのメーカー」と指定はしません。

ただし、アクリル絵の具とは、色が同じ系でも名前が全然違うこともあるのでお気をつけください!
買ってきて蓋を開けてみて、生まれて初めて聞くような名前に面食らうこともあるかと思います。

まずはその、得体の知れない名前の絵の具をご紹介します。

13色(+1)のツワモノ達

初めて数えてみましたが、どうやら我がパレットには13色のツワモノ達が揃っていたようです。

右端のクリムソンはイレギュラーで、普段はほとんど使いません。ほとんど減りません。
だから常時あるのは13色ですね。

左端から順番に参りましょう。

カドミウムレッド

この赤の名前は、リキテックスや他のアクリル絵の具にも存在します。
印刷用語でいう「金赤」。M100%/Y100%の赤色です。
基本、この赤色さえあれば、他の赤はなんとかなります。
有名どころでいうと、バーミリオンという朱色の赤もありますが、カドミウムレッドとイエロー、パーマネントローズなんかの混色で似たような色が出来上がります。
どうしても朱色系を主役に描きたい絵の場合は、その時だけバーミリオンを使うようにすればいいかと。
(私のクリムソン系の色と同じですね)
ちなみにガンダムのシャアザクの色は、このカドミウムレッドに例のクリムソンをほんの少し足したような色合いですね。

レモンイエロー

その名の通り、レモンなイエローです。
すこーしだけ青味の入った黄色で、単色で使うというよりか、他の色と混色して使う場合がほとんどです。
赤と混色する機会が多いため、私はカドミウムレッドのすぐ隣に置いてあります。
本来ならこの位置に、次に出てくるカドミウムイエローを置くのが主流なんでしょうが、そこは別にルールに従わなくても良いのです。
自分しか使わないパレットなんですから。

カドミウムイエロー

こちらも名の知れた黄色。
アメリカのタクシーの色、映画で見かけるスクールバスの色、といえばこの黄色。
カドミウムレッドと同配分で混ぜると、「あ、オレンジだな」というオレンジ色が出来上がります。
さらにそこに白を少し混ぜると、日本人の肌色の基礎色になります。(そしてレモンイエローとピンク系を足せばさらにリアル感が出ます)
しかし印刷用語のY100%とは少し違います。
こちらはもう少し赤味のある黄色ですね。

イエローオーカー

はい。出ました。
不透明水彩やアクリル絵の具では聞いたことのない色。
どんな色かというと、明るめのフローリングの色です。
日本でいったら黄土色ですね。
こういってくれたら途端に馴染みのある色になりますよね。
このイエローオーカーですが、出番が半端ないです!
3番目によく消費する色です。
このイエローと、のちに出てくるコバルトブルー。
油絵の世界には、この2色を使って下書きをする…というド定番がありまして、だからこのイエローは超重要です。
乾きも早いし、混色・単色、どちらでも威力を発揮します。

バーントアンバー

焼いたような茶色。
定番中の定番なこげ茶色ですね。
こいつもまた絵の具界の常任理事国なので、必ずパレットに席を用意しておきましょう。
赤(カドミウムレッド)との混色にも相性が良いいです。
本来この前に置くであろう『バーントシェンナ』という赤茶色がありますが、こいつもまた、このバーントアンバーとカドミウムレッドの混色でどうにかなってしまいます。
さらにこの茶色。グレージングにもお役立ちします。

グレーズとは?

オイルで油絵具をうすーく伸ばし、水彩絵の具のようにして塗る技法です。
よく「おつゆ描き」と呼ばれている方法がこれです。
主にコバルトブルーやバーントアンバーを用いて行われます。
白を混ぜすぎて浮いてしまった色を馴染ませたり、陰の部分を、厚塗りしないで奥行きを出したい場合にやったりします。
グレーズする箇所の絵の具が乾いてからやりましょう。


ローアンバー

上記のバーントアンバーよりも、若干緑がかった茶色です。
湿った土。そんなイメージでしょうか。
黄土色をそのまま濃く・暗くしていったらこの色になります。
日本人が髪の毛を脱色しても、この色合いにはたどり着けません。
そういう類の茶色で、赤みは薄いです。
金髪の外人さんの髪の暗い部分。主にそんな色のイメージです。
この色と相性のいい色に、フタロシアニンブルーやフタロターコイズがあります。
どれもちょっと癖のある色でして、王道かといわれると、ちょっと違う道のような…。
カドミウムレッド・バーントアンバー・コバルトブルーはむしろ王道で、生徒会長やグリフィンドールな色合いです。
それに対し、イエローオーカー・ローアンバー・フタロターコイズは、王道を物陰から見守る(もしくは狙う)永遠のナンバー2なカラー。陰の支配者・副会長的な色合いです。
…この辺は好みです。いろんな意味合いで。

クロミウムオキサイドグリーン

長たらしい名前が出てきましたよ。
不透明の、混色してある緑色です。
モスグリーンと呼んだ方がわかりやすいですね。
本当はモスグリーンよりは黄色がかってるんですが、これにコバルトブルーを混ぜたら、まんまモスグリーンになります。
(※)
クロミウムオキサイドグリーンをパレットに出すのはマイナーです。本当にだいぶマイナーです。
マイナー過ぎて、最近困っておりまして…。
ついに、緑色の絵の具をちゃんと用意しようと決意しました。
ルフランのARMORグリーンか、ホルベインのフタログリーンを用意するつもりでおります。
緑色って難しいんですよね。
明るく発色させようとして、白を混ぜたら途端に嘘っぽい色になってしまいます。
青と黄色を混ぜたら緑になるのはご存知の通りですが、綺麗な緑色を作るには、絶妙なバランスの混色をしなければなりません。
まだまだ修行の旅ですね〜

コバルトブルー

やってきました、我が家の皇帝・コバルトブルー。
ズバリ! 一番早くなるなる色です。年間消費量ダントツの1位
この色と混色したことない色って、うちには存在しません。
下書きにもグレーズにも使え、なおかつ人物画にも風景画にも使います。
空にも海にも山にもこの青は含まれていますので、間違いなくマストハブな1色です。
綺麗な青色ですが、他の色と喧嘩することなく調和できる、まさに王道中の王道キャラですね。
…そうか、出木杉くんなのか。

赤や黄色や茶色は好みの分かれるところですが、青のこのコバルトブルーだけは、何をどう言おうと定番色です。
ぜひパレットの中央指令室に鎮座つかましてください。

フタロターコイズ

とてもきれいな水色です。
こちらも透明色なので、薄塗りもできます。
夏の抜けるような青空や、南の海の深い青色には欠かせない絵の具です。
厚塗りで水色を表現したい時は白を混ぜて、少しほかの青(コバルトブルーやウルトラマリン)を入れてあげると奥深い水色が出来上がります。
グレーズで薄塗りする際は、少量でかなりいい発色になるので気をつけましょう。
癖というか…とにかく存在感の強い色なので、混ぜすぎると毒になる感じです^^;

フレンチウルトラマリン

ただの「ウルトラマリン」の方が馴染みのある名前ですが、私の使っている画材メーカーW&N(ウィンザー&ニュートン)での名称がフレンチウルトラマリンなだけです。
コバルトブルーよりも紫がかった、群青色に近い青です。
言われてみればその通り、フランスの国旗の青ってこの色かもしれません。
アメリカの青ではないですね。

実はこのウルトラマリン系の色は我が家では新顔でして。
理由は今まで長いこと白絵の具を「シルバーホワイト」で統一してきたから。
シルバーホワイトとウルトラマリン系を混ぜると、毒になります

パーマネントローズ

私のパレットでの立ち位置は、いわゆるマゼンタに属する絵の具です。
チューブから出したそのままの色は、発色のいいザ・ピンクですね。
これに白絵の具、そして赤や黄色と混色していくと様々なピンク色が生まれますが、特に人物画を描く際には欠かせない絵の具になるかと。
アジア系〜白人種の肌色にはもちろんのこと、褐色系の肌にも使います。
主に唇や頬のあたり、血色を良くしたい箇所に薄く入れるとリアル感が出ますね。
しかし入れすぎるとおてもやんになってしますのでご注意ください。
さらに、青系の色と混ぜると紫色を作れます。
青との分量によって絶妙な紫が生まれますので、夕焼けの空には欠かせない1品です。

(助っ人色)アリザリンクリムソン

又の名を「クリムソンレーキ」。
うちではイレギュラーな色ですが、時に必要な色でもあります。
どんな色かというと、バンパイアの唇の色です。
…すみません、もうそのイメージで固まってしまってまして…(汗)
パーマネントローズよりも深い、血色の一歩手前な色です。
バーントアンバーとの相性はいいですが、この色も他と喧嘩するタイプの色なので、ご利用は計画的にした方が無難ですね。

セラミックホワイト(白全般)

白についてはこちらの記事をご覧ください。
つまり、白だけで1記事いけるほど、白の種類や用途があるということです。

インディゴ

紺色…よりもさらに深い、黒に近いディープな色です。
この色を単品で使うことはほぼなく、主な用途として、グレーズして影の部分を濃くする際に使用しています。
もしくは混色して白を足してグレーを作る時とかですね。
画面上で見るデススター(スターウォーズ)の色がこの色だと思っています。

いかがでしたでしょうか。
普段聞きなれない色の名前が多々あったかと思います。

もちろん好みによってパレット上の色の種類も並びも違います。
個人的に、私の陣営は緑色が圧倒的に不足していますので、今日はこれから緑色のスカウトに行ってこようと思います。

緑の戦果についてはまた後日お届けできれば幸いです。

肌色を簡単に作りたい方へ。ちょっとした裏技をご紹介。

アンプリーチドチタニウム』という色があります。
(もしくは『モノクロームウォームペール』でも可)
いわゆる象牙色です。
これをベースにすると、日本人の肌色は簡単に作れます。
この象牙色に、カドミウムレッド、レモンイエロー、ちょっとだけパーマネントローズを混ぜるんです。白はほとんど要りません。
単品でも「血色の悪い肌」として成り立つほど肌色に近いので、もし人物画の混色が面倒な方は、是非このズルい裏技を試してみてください♪

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