油絵って臭い…。それ、絵の具じゃなくて溶解液が臭いんです!無臭の製品を使ってみました。

「油絵を描いてみたいんだけど、匂いがダメで…」

という話を聞きます。

いえ、むしろ
「油絵の具って臭いですよね」
という感じで言われます。

それどころか、

「臭いから部屋で描かないで」

……悲しいですが、こう言われちゃうこともあるかと思います。今日は、私なりに匂いに気をつけた結果たどり着いた、とある商品をご紹介します。

ご安心ください。
このページの何処をクリックしても、商品購入のページには飛びませんから^^;
本当にただご紹介するだけです。

1番臭いのは石油系『筆洗油』

初手から王手です。

臭いものランキング1位は、筆洗油です!

そもそも石油系の匂いは強烈ですからね。
ガソリンスタンドの匂い、そのものだと言っても過言ではないと思います。
しかし実は個人的にこの匂いが好きでして、だからこそ、家族との間で、匂いハラスメント談義に陥ってしまった訳なんですが…。

ガソリンの匂いもエンジンの匂いも好きな私は、この「石油系」の匂いがいかに人に気持ち悪さを与えるのか、これっぽっちも想像できていませんでした。

「むしろいい匂いじゃ〜ん♪ 除光液よりマイルドだよ」
ぐらいに思ってたんですね。
そりゃケンカになるわ。
石油系の匂いで中毒になると、酷い場合、吐き気を催したり慢性的な頭痛になったりするらしいですよ(汗)

まずはここを取っ払いましょう。

最初に述べた『筆洗油』。
これを無臭タイプにチェンジしました。

クサカベ 無臭クリーナー(油彩用筆洗液) 500ml
¥717
(世界堂オンラインショップの価格)

これは500mlサイズ。この他に、1000mlや2000mlのものもある。これより小さいサイズでお試ししてみるのもあり。

ノーマルタイプに比べると若干お高いです。
しかし本当に無臭です!
ただし、筆洗自体を昔のまま使っていると臭いので、いっそのこと筆洗も新調した方が間違いないですね。

筆洗の底には、油絵の具が沈殿してヘドロのようになっていることも…。

2位もやっぱり石油系、『ホワイトスピリット』

匂いに無頓着で長年使い続けたホワイトスピリットですが、言われてみれば確かに芳しい石油系の匂いです^^;
しかも描き始めの頃にダバダバ使うし、グレージングでもダバダバ使うし…要は部屋中がホワイトスピリットの匂いに満たされてたんですね。

このホワイトスピリットと匂いが同じ属性なのが、かの有名な『ペトロール』。
どちらも石油系のオイル…というか、むしろ商品名が違うだけで同じものです。

テレピンは植物性だから臭く無い?

描き始めやグレージングに使用していたホワイトスピリット(ペトロール)ですが、家の中がガソリン臭いからマジやめてと言われ、引き下がりました。

だったら植物性アロマ(アロマじゃないですね)のテレピンはどうだろう!?
と思いチャレンジしたのですが…。
なんと、

「ユーカリ臭くてヤダ」

と言われました orz

結構匂いの少ないやつを選んだつもりだったんですけどね。
どうも虫除けスプレーと同じ系の匂いだったらしく、それもやはり臭いと不評でした。
さらに、キャンプなどで使っているオイルランタン、これに使用しているレインボーオイルも不評でございます^^;
こっちは主に屋外で使用しているのでそこまで言われませんが、家のなかで使うのは絶対NGなのです。

オイルランタンとレインボーオイル。虫除け効果もあり、灯油臭くない、爽やかな香りだと私は感じるのだが…。

じゃあリンシードオイルはどうなのか?

油絵を描くとき「各種オイルを使うと描きやすくなるよ」と習います。
(使わなくても描けますが)

油絵を描く時に使う各種オイル
  • 描き始めの頃は揮発油を使い(サラサラ)
  • 筆の動きをスムーズにするため溶き油を使用し(トロトロ)
  • 仕上げていく過程で固着力を強める(コッテリ)

サラサラに属するのが、テレピン・ペトロール・ホワイトスピリット。
コッテリに属するのがリンシードやポピーです。
真ん中のトロトロは、サラサラとコッテリを自分なりに調合して作る調合油です。

……まずこがメッチャ難解。

油絵が敬遠される理由にもなってると思います。
調合…かい。
最初のうちは真面目にリンシードを独自に混ぜて調合油を作ってたんですが、その「リンシード」にもダメ出しが出ちゃいまして^^;
いわく、

「1週間後の天ぷら油の匂いがする」

と。

たどり着いた「オドレス」!

数年間色々と試したり人に聞いたりして、ようやくここにたどり着きました。

ホルベイン 画用液 オドレスペトロール 200ml
¥894

(世界堂オンラインショップの価格)

こちらが例のオドレスペトロール! 油臭くもガソリン臭くもない、奇跡の石油系揮発油!

石油系のペトロールにも関わらず、マジで無臭です!

蓋開けて鼻先に近づけても無臭です!

これ、この子、ダントツで本当に臭くないです!
さすが「無臭」と謳うだけのことはあります♪

更にこれは美味しいオマケ付き。
これだけで最後まで描き切れるんです!
オドレスペインティングメディウムも発売されていますが、今のところこれ1本で困っていません。
テレピンよりもサラサラ度は落ちます。
サラ…ぐらいですかね。

そもそもシルバーホワイトの毒性や化学反応をよく理解していなかったおバカなもので。
調合油…自体に苦手意識があったんですよね。
ケミカル、化学、算数…ピーマン、その辺に苦手意識しか持っていないのです。
難解な文章問題を見たら、その問題ごと無かったことにするレベルです。

ぶっちゃけ面倒臭かった訳です。

そんな私の救世主。
オドレス!

片付け後の隠れボスにご注意ください。

実はまだあります。
匂いの原因。

描き終えた後、新聞紙に、筆に残った絵の具をこすり付けます。
そして筆洗油で湿らせて、さらに新聞紙にこすり付けます。
んでもう一回、今度は筆洗油でしっかりゆすいで、またもや新聞紙に、こんどはこの筆洗油を拭き取るためにごしょごしょします…。

この『新聞紙』が臭いのです。

うっかり八兵衛でした。
どういう化学反応なのかは未だに知りませんが、新聞紙が臭い、ということは知っております。
そんな訳で我が家では、絵の具系がついた新聞紙は、専用の蓋つきのゴミ箱に捨てております^^;

アトリエを持てない状況では、家族同居の元で描き続けるしかない訳ですが、できるだけ嫌な顔をされないよう頑張っております。
夢は古工場を買い取って、だだっ広いアトリエで日夜巨大な作品を作ること!

まさにアメリカン・ドリームですね♪

換気はもちろんのこと、窓に向かっての扇風機も効果的♪

夏場によくやる手なんですが、小さめでもいいので扇風機を用意して、絵の具類の近くに置きます。
イメージとしては、臭い匂いを扇風機の背中側で吸って、窓の方向に押しやって流す感じです。
もし換気扇がある部屋なら四六時中点けっぱなしです。

トイレの大の後なら、マッチ棒を擦って一瞬火を灯して消すと匂いも消えますがね。
「火気厳禁」なフィキサチーフやメディウムに囲まれていると、怖くて火は絶対に点けられません!

ちなみに作品保護用のニス(ワニス・タブロー)、こちらも強烈な臭さですので、かける時は是非とも屋外でやりましょう♪

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