
抽象画だろうと具象画だろうと、
描いてるものは〈絵〉なんですが、
それを〈言葉〉で説明しなきゃいけないことがよくあります。
(特に海外ではほぼ100%「で、説明して?」って言われる)
「これは何を描いてるんですか?」
と聞かれることも多々あります。
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見りゃわかんだろー! こんにゃろー!
と言い張れるぐらい立派な具象画や、
誰がどう見てもネコに見えるネコの絵を描かれる方はよいのです。
そうです。
抽象画を好んで描く人は説明が大変なんです。
じゃあ何て答えればいいの?
「これは何の絵ですか?」
の質問には簡単な答えがいくつかあります。
- 「心の風景です」(風景画という落とし所)
- 「湧き出でる感情です」(パッションてなんかカッコいい)
- 「人物(もしくは物体)を、オーラから描き起こしてみました」(少し不思議ちゃんですが、抽象画描く奴は元々そういう風に思われているふしがあるので問題ないです)
上記のような答えをすると、たいていの人は
「…なるほど~」
となってくれます。
(そうならないお方はたいていの場合うんちくがお好きな紳士・淑女なので、是非とも丁寧に『コンテキスト』を交え、話を盛り上げましょう)
むしろやっちゃいけない答えがこちら。
- 「見る人にお任せしてます」
- 「リンゴを描いたんですけど…そう見えませんか?」
- 「特に何を描いている訳ではなく、思いのままに筆を走らせてます」
上のアンサー集は、実際に私がそう答えて客を逃したり、アメリカのギャラリストに鼻で笑われたNGアンサーです( ̄▽ ̄;)
三番目なんか自分ではカッコいいと思ってましたよ?笑
ちょっと遠い目をして語るとさらに良し! とまで思ってました。(^^;)
ダメです。
自分で描いた世界は、
自分で責任を持って育ててください。
表現者としての自覚を持つ
「あなた以外の誰が、あなたの頭の中を説明できるわけ?」
全くまともな説明をできなかった頃、ニューヨークのギャラリーのお兄さんにそう言われました。(見た目はお姉さんでした)
絵を描いて発表している以上、表現者であります。
見た人に何かを伝える、または何かを考えさせる、もしくは何かの感情を生まれさせる者です。
「私は発表もしてないし、個人の趣味だから…」
という方も、
自分自身が、出来上がった絵を見た時に思うことがある筈です。
「よく描けた!」
と思うのはどうしてなのか?
どの部分がよく描けたのか?
それは色なのか、形なのか、筆の動きなのか?
どこか一つでも、
自分の思うさまを言葉にしましょう。
『絵を見て感じとって欲しい…』
私もそう思います(T▽︎T)
ですがそれが通じるのは親か身内ぐらい。
つまり絵のこと以外のあなたをよく知っている人です。
初対面の人に
「私はパイナップルが好きです! 何故かわかりますか⁉︎」
って聞いてもたぶんわからないです。
「パイナップルが好きでたまらないので、パイナップルの香りが漂うような、パイナップルの色合いの絵を描いています」
という説明はアリですね♪
絵を見て感じ取ってもらえるのは、レオナルドダヴィンチとかレンブラントとか…
もう半分ぐらい<ジェダイの騎士>みたいになってる巨匠たちの作品だと思われます。
くどくなり過ぎないように注意してね
いっくら自分の作品が好きでも、聞かれてもいないことをベラベラ30分も喋られたら相手は嫌です。
特に、初対面の日本人は完全にドン引きします。
(ツッコミを入れて切り返してくるのがフランス人ですw 偏見かな)
会話なら、相手がほどよく相槌を打てる程度に簡単に噛み砕いて話すことも重要です。
例)
✖️「アリザリンクリムソンを使って、深層心理にある忿怒を形にしました」
○「最近怒りっぽくなってしまったので、赤い絵の具で感情を吐き出してみました」
文章なら長くなり過ぎず、興味を引くようなキーワードが入るとわかりやすいです。
例)
負の感情である「怒り」テーマに描いた作品。感情に身を任せるのではなく、怒りを「赤」という色に置き換えて、自らの感情を俯瞰した時に見えた心の流れを表現した。
よく「ネコが好きなんでネコを描いています」ってのがありますが、
いや、私もネコ大好きなんでその気持ちはよーっくわかりますが、
せめて「ネコの〇〇が好き過ぎて○○ばかり描いています! 描いてる最中も幸せでした~(^^)」
って言われると、
「ほほう、その好き過ぎて幸せになる絵とはどのようなものだい?」って、
すごい興味を掻き立てられますね♫
今回は「絵」を「言葉」で説明するテーマをお届けしました。
私自身、ダメ出し食らって凹んできたことだったので、もしご参考になれば幸いです。
ではまた!
【おまけの一歩:アート界の小難しいアレやコレや】
Statement と Description と Context
どれもこれもややこしや~(汗)
簡単に言うと、
- Statement = 声明文(「自分はこんな理由でこんなやり方でアートしてるよー!」という、プロフィールをよくよく掘り下げたもの)
- Description = 1つの作品に対する説明。今回のテーマがこれ。
- Context = コンテクスト(またはコンテキスト)と呼ばれる、アートの系譜の中で自分がどの流れを汲んでいるのか、なぜその思想が生まれたのか、歴史的背景も交えた説明文。『アートは何か?』という哲学的な方向になります。
コンテクストについては私もずーっと勉強中です。
というかおそらくずーっと頭を悩ませるものだと思われます。
ただし、作品を説明していったら必ず通る道なので、勉強しといて損はないです!
(もっと理解できたらまたアプデしますね~)