その曲のアーティストとコラボするつもりで描くべし! 抽象画の描き方【音楽編】

今日の抽象画の描き方は【音楽編】です。
音や曲をインスピレーションにして描いてみましょう!

共感覚〉という、ちょっと変わった技能をお持ちの方もいますが、今回はそれを使わなくても全く問題ありません。
受け取ったイメージを妄想で含ませていくことがメインなので、特別な才能も要りません。
妄想力を鍛えるだけの簡単なお仕事です。

ちなみに〈共感覚〉とはなんじゃ? と気になった方へ。
ちまたで色々解説されておりますが、手っ取り早くいうと、2つ、もしくはそれ以上の感覚が同時に起きる現象のことです。

例えば…
「このスリッパ臭い! なんか口の中まで苦い味する!」とか、
「氷を触ったら甲高い音が聞こえた」
なども共感覚の一例のようです。

本来なら1種類の感覚しか働かない出来事なのに、全く関係ない他の感覚が反応する現象のことですね。
「テレビを点けたら緑色が見えた」なども共感覚です。

一説には、日本人は古来この共感覚は馴染みのある現象で、味を色に例えたり、温度を音に置き換えてみたり、無意識に共感覚を使っているみたいです。
(平安時代の貴族の遊びっぽい)

しかしこの共感覚を使っても使わなくても、我らには妄想力という逞しい力があります。
これを鍛えれば、いずれ「トイレの流水音」や「掃除機のブイーン音」からでもイメージが湧き出てくることでしょう!

まずは「引っかかる曲」を用意!

これは別に、優雅なクラシックでなくても全然大丈夫です。
今ハマっている楽曲でもよし。
学生時代にやけに聴きまくった懐かしソングでもよし。
とにかく、何かが引っかかって何回も聴いてしまう曲を用意しましょう!
(ちなみに私が初めて意識して曲をテーマに描いたのは、Totoの「アフリカ」という曲でした)

実はこの『引っかかる曲』にはいくつかパターンがあります。

  • とにかく毎日聴いてしまう(どハマり中パターン)
  • 別に自分のプレイリストに入ってないのに、聴こえてくると作業が止まってしまう(ツンデレパターン)
  • よく見ているドラマ、もしくは映画などのテーマ曲で、それを聴くと芋づる式に映像が出てきてしまう(パブロフの犬パターン)

この他にもありますが、よくあるのがこの3つです。

上記の中で一番絵に起こしやすいのは、何と言っても③の『パブロフの犬パターン』です。
曲と映像がすでにリンクしているので、あとはそれを画面に起こすだけ。
もちろんそのドラマや映画をそのまま描いてしまってはダメなので、まずはイメージカラーを拾い出して塗ってしまう、もしくはお話の中のキャラのイメージを、波線やギザギザ線だけで描いてしまう…ということもできます。

その他、曲の店舗に合わせて点描を置いていくや、下地作りの時に用いるモデリングペーストやメディウムで、リズムに乗って厚みを作ってしまう…なども考えられます。
その時のノリで、気分に合わせてやりましょう。

また、この「まずはイメージカラーを拾って塗ってしまう」は、上記の他2パターンでも使える技です。
よくわからない線をぐねぐねとかザーザーやるっていうのも、やはり曲から絵を起こす時に使う手法です。

例えば、ハリーポッターを例にしてみましょう。
映画を観たことのない方でも、コマーシャルなどであのテーマ曲は聴いたことがあるんじゃないでしょうか?

あの、鈴の音色のような小さい旋律の後、段々と壮大なイメージに広がっていくテーマ曲。
階段下の狭い小部屋から始まって、ホグワーツ城を上から上空けら見渡したような、まさに魔法使いファンタジーと冒険っぽい感じが表されている名曲だと思います。

で、この曲の全体をイメージしちゃうとモロにハリーポッターになってしまうので、それを避けて、曲の冒頭(イントロ部分?)だけ使ってみましょう。

まだそんなに「壮大」なイメージは湧きませんが、何か、ひっそりと何かが始まるような音ではないですか?

暖かみはどうでしょうか?
私はこの音からは暖色のイメージは湧きませんでした。

どちらかというと、寒色。そして暗い中の少しの光。
済んだ音色が、寒い冬の空のように感じました。
もしかしたら雪かな? それとも冷たい窓ガラスに何かが当たった音かな? そんなイメージを受けとりました。

なので、とりあえず画面を青と紺色に塗ってしまいましょう。
少し空色や白を入れてもいいかもしれません。
ホタルのような光や、雪のチラつきを表してもいいですね。
もしくは、遠い先の何処かに、ほんの少しだけ静かな炎を描いてもいいかもしれません。

と、ここまで妄想が進んだら、後は描くだけです。

ちなみに描いている間は、できるだけその曲を聴き続けるようにしましょう。
むしろ描くことに集中して、音が聞こえなくなるかもしれませんが…。

<音>と<画>はリンクしている

冒頭で述べた通り、共感覚を用いると2つ、もしくは3つの感覚が同時に起きます。
しかし、そもそも視覚と聴覚はリンクしていると思うのです。

『リラクゼーション』というジャンルの曲に激しい曲はありません。
眠りたいな…と思っている人は、地獄の黙示録で使われた、ワーグナーの<ワルキューレの騎行>は、あまり聴いたりしませんよね。

逆に、アクション映画のテーマに、キャンディキャンディやアルプスの少女ハイジのような軽やかな曲は似合いません。

そう、イメージがずれるんです。

音をインスピレーションにして描く絵も同じで、聴いた曲や拾った音によって、受け取る<画>は自ずと湧き出てきます。

写真にように綿密な静止画で出てくるか、動画のように流動的なイメージかは人によって違いますが、頭の中にある<画>を絵に起こすという作業は、具象画でも抽象画でも同じことです。

対象物を見て描く具象画の場合も、「見る」という段階で一度は頭の中を通っていくわけですから、そこから手に伝えてキャンバスに描く作業は一緒です。
リアルに見ることができる対象物がこの世界にない場合、見なくてはいけないのは頭の中ですね。

目をつぶってもいいですし、おでこと眉間の間の脳みそ寄りを探ってもいいです。
現実世界を見て描くときも、妄想世界を見て描くときも同じ。

【見る7:描く3】

の割合です。

今回は、抽象画の描き方【音楽編】をお送りしました。

抽象画、と銘打ちましたが、音や曲から描き起こしたイメージが、最終的に具象画になっても全く問題ないですよ♪
自分の中のフィルターを通して出てくるものは、時として抽象的で、時としてハッキリと形作って出てくることもあります。

出来上がった作品に関するコンテキストは後から考えればよいと(私は勝手に)思っています。
作品を説明するのは、後世の歴史家に任せておけばよろしいです(2回目)。

「こうしなければいけない」や「こうあるべきだ」などの堅苦しい考え方そのものが、そもそもアートへの障害になってしまっているようです。
ブログの中で何度か書いていますが、とりあえず、思っていること、見えているもの、を描いてしまいましょう!
色でも線でも、円や図形ひとつでもいいのです。
紙の真ん中に星ひとつ描いて、ポップな色で塗ったら立派なグラフィティーアートです^^

天才、ジョン・ウィリアムズの華麗なる映画遍歴!

ハリーポッターのテーマ曲は、かの有名なジョン・ウィリアムズの作曲です。
彼の作った曲を、聴いたことがない人はいないのではないでしょうか!?

  • スーパーマン
  • インディージョーンズ
  • スターウォーズ
  • ジョーズ
  • E.T.

グラミー賞だアカデミー賞だゴールデングローブ賞だと、とにかく賞も総ナメでございいます!
当たり前っちゃ当たり前ですね!
私も子供時代からお世話になっております。
彼の作った音楽にワクワクをもらい、こうして立派な妄想族に成長しました。
妄想だけでも冒険に出かけたい方、是非とも彼の楽曲を聴いてみてください!

https://www.youtube.com/channel/UCfv8TEQ44ej9uPGF-SNsDBA

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