油絵の具とアクリル絵の具、どっちを先に塗ったらいいの? 

こんにちは。主に木製パネルの上に作品を描いているYaskoです。

昔はキャンバスにも描いてましたが、コラージュしたメタル貼ったり、砂だ布だと貼っていくうち、
「あれ? これベニヤでよくね? 安いし…」
と、開眼して自作でパネルを作っております。

(支持体については『抽象画の描き方 下地作り編』でもご紹介しています)

今回はその一歩先。
下地を作った後の色塗り編です。

ざっくりおさらい。なぜ下地処理をするのか?

木製パネルには、キャンバス地のような下地処理は施されていません。
そのまま油絵の具を使って描くと、必要以上に油分が吸い取られてしまいます。
しかも乾いたら色はくすむし、油分を吸い取られた画面は、カサカサのお肌状態でひび割れてきます。

そうならないために下地処理を行うのですが、ここで主に使うのがアクリルジェッソです。

白だけでなく、色々なカラージェッソも販売されています。
最近は金や銀のジェッソもあるみたいですね〜♪
このジェッソを、ハケなどで塗っていくわけです。
小さいパネルなら筆でもいけます。

しかしわたくしケチでせっかちなもので。
ハケや筆だと塗るのに時間もかかるし、絵の具も余計に使います。
最近はセリアで見つけたゴムヘラを使って塗り広げておりますよ( ̄▽ ̄;)
ゴムなので、柔軟性があってとてもよいです♪

最初のうちはざっくりとヘラで。仕上げにいくに従ってハケを使う。

ちなみにこの下地塗りですが、一回ではなく、何回か繰り返します。

塗って→乾かして→塗って→乾かして…

好みによりますが、最低でも3回は繰り返しましょう

パネルの地色を活かしたいならジェルメディウム

ジェッソで下地塗りをして、そこからすぐに油絵の具もいけますが、実はもう何パターンかやり方があります。

●パターンA
ジェッソで下地→描き始め
このやり方が最初に説明したやつですね。
オーソドックスに基本です。

●パターンB
ジェルメディウムで下地→ジェッソで塗り重ね
うっかりラワンのベニヤを買っちゃった場合、目止めを強化するためにやったりします。

●パターンC
布や紙を貼っつけたり、写真をコラージュしてからの、
ジェルメディウムで下地→描き始め

『抽象画の描き方 下地作り編』でご紹介したやり方です。
主に抽象画を描くとき、下地で遊んでから入ると方向性が見えてきます。

●パターンD
ジェッソで下地→ジェッソにアクリル絵の具を混ぜる→描き始め
今回お届けする記事は、こちらのやり方と、何故そうするかをご説明します。

アクリル絵の具はいつも下なの?

はい。アクリル絵の具はいつも受けです!
いや、「下」です!

油絵の具の上にアクリル絵の具を重ねてはいけません。
乾いた後で、アクリル絵の具だけが剥がれたり割れたりします。

というか、そもそもあまり定着がよくありませんので、描き進められないと思います。

アクリル絵の具は乾くと耐水性になり、表面が弾力性のあるゴムのようになります。
ツヤも出て表面もなめらかなので、本当はちょっとザラつくぐらいヤスリをかけたいところですが、一応、その上に油絵は描けます。

ジェッソも乾くと耐水性ですが、こちらは表面にザラつきが残りますので、アクリルより安心して油絵の具に進めます。

しかしもし油絵の具の上にアクリルを塗ったら、油の上に水溶性の絵の具を乗せる訳ですから、固着する訳がないんです…。

結論、アクリル絵の具(ジェッソ含む)の上に油絵の具は乗りますが、逆はダメです。

アクリルの上に油絵の具の時も、下に塗ったアクリル絵の具がしっかり乾いてからやりましょう!

ジェッソにアクリル絵の具を混ぜるというやり方

ジェルメディウムかジェッソで下地を作ったあと、更にジェッソにアクリル絵の具を混ぜて遊んでじゃう…というやり方があります。

こちらの画像は、パネルの上にジェルメディウムで目止め下地処理をした後、ジェッソに青やオレンジのアクリル絵の具を混ぜて下地作りをしています。

また、ジェッソにカラーのアクリル絵の具だけでなく、異素材(砂や麻紐)を混ぜて塗ることも可能です。

これは砂をモデリングペーストに混ぜて塗ったもの。

また、ジェッソは水で薄めて塗ることも出来ますが、あまり薄め過ぎると下地としての目止めの役割りを果たさなくなるので、多量の水は避ける、もしくは水は使わない、でいきましょう。

どうしてもボケ足やにじみの表現の下地処理をしたかったら、ジェッソの塗り重ねでしっかり目止めをしてから、アクリル絵の具を水でといて水彩画風に塗ってください。

油絵の具は乾燥に時間かかるし、値段も安くはありません。
ジェッソやアクリル絵の具を上手に併用すれば、作業スピードも上がるし、経費も抑えられます(特に大きな作品では如実に財布に響きます)。

油絵を描くときのルールはいくつかありますが、
『アクリル絵の具は必ず下の層に塗る』
これは世界の真理として覚えておきましょう!
残念ながら下克上は起きません。
リバはないんです…。

万能の神・ジェルメディウム

パネルの目地止めにも使えますが、なんと、やつは接着剤にもなります。
私は主にコラージュをする時に用いますが、木工用ボンドのように、布やも麻紐も貼っつけてくれます。
アルミホイルをくっつきますよ。
仕上げにもう一層ジェルメディウムを塗り重ねることが大前提ですがね。

そして神の何が凄いって、なんでも混ざってくれるとこです。
透明色のアクリル絵の具を混ぜたら、レジンみたいに透明なアクリル版のような面ができます。
金の粉を混ぜたら、そのままハケや筆で塗って、金の絵の具の出来上がりです♪
さらに指でガリガリこすっても落ちない固着力!
一家に一台・ジェルメディウムの時代ですなぁ₍₍( ´ ᵕ ` *)⁾⁾

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